予防歯科
自分の口の中を知ろう
1本目の歯を失うと、2本目、3本目と歯を失う速度は加速度的に増します。歯は、自分自身での回復力がなく、口腔内は最も細菌にさらされている器官です。
口腔内を知ることで予防・改善できることも多々あります。患者様一人ひとり状況は異なります。一緒に口腔内を清潔にしていきましょう。
痛くなる前に予防
冒頭でお話ししたような、お口のトラブルの原因を作らないように予防をしっかりしていくのが予防歯科です。予防歯科では、口腔内チェック、虫歯・歯周病の検査、定期清掃、歯磨き指導などの検査をおこないます。虫歯や歯周病などの予防だけではなく、症状の進行に応じた処置も含め、口腔内全体をより良い健康状態に保っていただくことができます。
あなたを理解している担当医がいます
人はそれぞれ歯並びや歯の形、口の大きさ、器用さ、歯磨きの癖などが異なります。
それを見極め、患者様にうまく浸透させていく為に、歯科衛生士が患者様一人ひとりに固定で付く「担当制システム」を導入しています。担当の歯科医師と歯科衛生士が協力し、患者様の予防歯科プログラムを組んでおります。メインテナンス、歯周治療をしていくため、患者様の状態を常によく理解し、アフターケアにいたるまで最適な処置ができるのです。
当院の予防歯科検査及び治療
【細菌培養検査】
患者様の口腔内において細菌の生息量は人それぞれです。例えば、1日3回しっかり磨いても虫歯ができてしまうような方もいらっしゃいます。様々なお口のタイプに対して、適切な予防歯科を行っていくために当院では、CRTという唾液を使った細菌培養検査を取り入れております。この検査データを活かすことでより効果的な予防処置を行っていくことが可能となります。
当院で、実際に配布しているカリエステスト結果の資料
【PMTC】
PMTCとは、プロフェッショナルメカニカルトゥースクリーニングと呼びます。
PMTCでは、歯ブラシでは落とせない汚れや、歯ブラシが届きにくい部分を専門の機器を用いてクリーニングします。クリーニングなので痛みも少なく、プラーク(歯垢)や歯石を除去いたします。
以下のような事を行っています。
- 歯肉の状態のチェック
- プラーク、ステイン(茶渋など)の除去
- 歯石の除去
- ブラッシング指導(TBI)
- 歯の表面を再石灰化を促すペーストで仕上げる
- むし歯予防のためにフッ素の塗布
特にインプラント治療を受けられた方、被せ物が多く入っている方、矯正治療中の方のメインテナンスは患者様の状態に合わせて検診の間隔を決めています。定期的にメインテナンスに通って頂くことで、むし歯や歯周病の進行を自覚症状が出る前に早期発見でき、治療も数回で終えることができます。
より快適なPMTCを目指して
当院では、クリーニング時に使用する歯磨材及びそれを行っていく機器にも配慮しております。歯磨材におきましては、研磨剤不使用のものや強固な着色を落とすような研磨剤まで幅広くご用意しております。
上の写真が当院で使用する機器になります。着色からバイオフィルム除去、補綴やインプラントまでのメインテナンスを1台で効率よく対応できます。それにより従来のものより患者様への負担が軽減されます。
定期健診の重要性
まずは、虫歯・歯周病にならない事が大事。そのためにも、定期健診を欠かさず行うことが、いつまでも健康な歯を保つ鍵を握っているのです。
自覚症状がないまま進行していて、手に負えないほどの状態になっていることもあります。
軽度の虫歯・歯周病などでも早期発見で、処置を行うことによって口元全体を健康な状態に保ちいつまでも美味しい食事を楽しんでいただけます。
手遅れになって、大切な歯を失わないためにも定期健診の重要性を知り一度足をお運びください。
いつまでも健康な歯でいるために、日頃のメンテナンスを大切に。
【歯石の除去】
歯石除去(スケーリング)とは取り除けていない歯垢(プラーク)、歯磨きでは取り除く事が出来ない歯に付着した『歯石』をスケーラー(超音波スケーラー・ハンドスケーラー)と呼ばれている特殊な器具を使って除去する治療法です。
歯石自体は直接、歯周病の原因とはなりませんが、歯石は凸凹しており歯垢(プラーク)が付着しやすいという特徴があるため早めに除去しなければ歯周病菌が増殖してしまい、歯周病の症状が進行していまうのです。
またスケーリングを行い歯石を除去すると、一時的に冷たい物を食べると歯がしみたり、歯が長くなったように感じることもありますが、それらは歯、歯肉(歯茎)を覆っていた歯石がなくなったためですので心配はありません。
【TBI~Tooth Brushing Instraction】
歯磨き指導のことを指します。毎日歯磨きを行っている人でも、虫歯や歯周病になってしまいます。正しく歯磨きが行えていない人が多いのです。
- どこが磨けていないのかを把握
自己流の歯磨きでは、磨き残しになりやすい場所が出てきます。磨き残しになりやすい場所は人によって違いがあり、磨き方だけでなく歯並びや使用する歯ブラシの違い、利き手などによっても違います。自分のうまく磨けていない場所を把握することが大切です。
- 歯磨きのコツを習得
歯の向き・生え方・形状は、1本1本違っています。そのため、平面を磨くのとは違って磨き残しになりやすく、磨く箇所に応じて適切な歯ブラシの当て方・動かし方が求められます。 正しい歯の磨き方・コツを習得することによって、効果的にプラークを除去できるようになります。
- 正しいブラッシングの維持
TBIは定期的に実施することで、予防効果が高まります。定期的な受診で、正しいブラッシングが実施されているか、それによりどのような効果が出ているのかを確認します。
定期的なTBIにより正しいブラッシングを維持することは、口腔内を清潔に維持できる・口の中の変化を確認できるといったメリットがあり、長期的な健康維持につながります。
【フッ素塗布】
フッ素塗布とは、高濃度を歯に塗布し虫歯予防として用いられます。フッ素は人間の身体、特に骨や歯を丈夫にする有益元素です。以下はフッ素の効果です。
- 歯の表面が強くなり、虫歯になるのを防ぐ。
- 虫歯になりかけている歯の自然修復。
- 抗菌作用、抗酵素作用によって虫歯菌の活動を抑制する。
フッ素とは、特別な物質ではなく自然界のあらゆるもの(空気、水道水など)に含まれていたり、私たちが日ごろ口にするものなどにも含まれており、日ごろの生活の中で無意識の内にフッ素を摂取しており、特別な薬品ではありません。ただし、大量に摂取することによって体に悪影響を及ぼす可能性はあるので、必ず歯科医院での定期健診とクリーニングを受けてください。
フッ素塗布を全く受けなかった幼児と、半年に一回のペースでフッ素塗布を続けた幼児を比べると20%~50%近くまでフッ素塗布を続けた幼児のほうが虫歯の数が減少しています。
幼児だけではなく大人の方にも、もちろん効果はあります。歯の表面の汚れを取り除き、フッ素を補うことによって、失われたカルシウムなどのミネラルを再度歯の中に戻す事が可能となります。